日清食品の「カップヌードル」が世界累計販売500億食を達成したというニュースがありました。
「カップヌードル」は1971年9月に発売が開始された世界で初めてのカップ麺で、現在では100カ国で販売されています。
当初は1種類だった味も「カレー味」「シーフード味」など今では多岐にわたり、世界各国のオリジナル商品もあるようです。
鍋に湯を沸かし、その中に袋から取り出した麺を入れて茹でるそれまでの即席ラーメンと違い、鍋もどんぶりも必要なくただ“湯を入れるだけ”の調理とも言えない作り方は画期的でした。

 

日清食品は発売開始時には各地にお湯を供給できる自動販売機を設置し、まったくの手ぶらでラーメンを食べられるシステムを作りました。
そして、その自動販売機で出来上がった「カップヌードル」を箸ではなくフォークで食べるというのもおしゃれなもので当時の若者が飛びつきました。

 

そんな若者限定だった「カップヌードル」が日本中の人たちの知るところとなったのはなんといっても「あさま山荘事件」です。
これは警察に負われた過激派集団“連合赤軍”が冬の軽井沢に人質をとって立てこもった事件で、なんと9日間にもわたって警察と犯人とのにらみ合いが続きました。
なにしろ冬の長野県ですからマイナス10度を下回る相当な寒さです。動員された機動隊員に支給される弁当も凍ってしまい食べることが出来ません。そこで代わりに用意されたのが「カップヌードル」だったのです。
湯気の上がるカップから、おいしそうに麺を頬張る隊員たちの姿が連日生中継されていたテレビ画面に映るのですから、視聴者は「いったいあれは何を食べているんだ」と興味津々です。
ちなみにその時の視聴率は50%を超えていましたから、これ以上の宣伝はありません。
カップヌードルが瞬く間に市民権を得て国民食と呼ばれるようになるまでにそう時間はかかりませんでした。

 

現代では多くの食品会社が当たり前のように販売しているカップ麺ですが、最初に開発した日清食品はやはり偉大です。
なぜなら「カップヌードル」がなければ「赤いきつね」も「ペヤングソースやきそば」も生まれなかったのですから。

 

STAFF K.Y

出典:
日清食品公式ホームページ プレスリリース https://www.nissin.com/jp/news/9792
百田尚樹チャンネル「ニュースに一言」