今や私たちの生活の中で、ネット通販やスマホの分割払いなど、クレジットはとても身近で便利なシステムですね。 そのクレジットのルーツや歴史について業界団体である「一般社団法人日本クレジット協会」のホームページで 「クレジットの歩み」に詳しく述べられています。
今回はその中から『富山の薬売り』についてご紹介します。
【現在も続く越中富山の「配置売薬」】
一方、有名な「富山の薬売り」をクレジットの発祥とする人もいます。 これは富山藩の二代藩主前田正甫(まえだまさとし)が考案した「配置売薬」のシステムです。 正甫公は薬に造詣が深く、自ら調合したほどですが、岡山藩医の万代常閑(まんだいじょうかん)を招いて、 「反魂丹(はんごんたん)」という薬をつくらせました。
これが名薬であったことから、富山藩以外の地域の人々にもこの薬を利用してもらい、 多くの人を助けようと「他領商売勝手」という政策をとりました。自分の国に限らず、 どこにでも行って薬を売ってもよいという政策です。
〔富山の薬売り〕
「置き薬」という独特の方法で、江戸時代から現在も続いている。行商人は薬の最初の訪問時に薬を置いておき、 次回の訪問時に利用した代金を受け取る。これは、「先用後利(せんようこうり)という一種の信用取引だが、 この信用は「行商人の信用」「薬の信用」「利用者の信用」それぞれを意味するという。
また、「後利」は行商に使う薬をいれた「行李」にかけられている。中心商品は、前田正甫考案の「反魂丹」。 明治になって「六神丸」がこれに代わる。
ここでとられたのが、「配置売薬」(はいちばいやく)、つまりいくつかの薬を置いておき、 行商人が次回の訪問時に利用した薬の代金を受け取る方法です。
これは「先用後利(せんようこうり)=先に用をなし、後に支払う」という一種のクレジットのシステムで、 現在も続いています。』
子どものころ、定期的に各家庭を訪ねて薬箱の中身を補充していくおじさんを見かけたことありませんでした?
「置き薬」は300年以上も前の江戸時代から綿々と続く商法ですが、 現代でも充分に通用するビジネスモデルであることがよく分かります。
株式会社トリプルクラウン スタッフ久保田
(引用:「一般社団法人日本クレジット協会HPクレジット関連資料「クレジットの歩み」(https://www.j-credit.or.jp/information/walk.html )