ダメだと強く言われれば言われるほど、その行為に対して抗いがたい興味が湧いてしまう心理現象はカリギュラ効果とよばれます。

「絶対に笑ってはいけない」と言われると笑ってしまう。
「絶対に人には言わないでね」と言うと必ず秘密はもれてしまうもの。
「絶対におすなよ!」と言われたら押すのがお約束。
「決して覗かないでください」と言われたのに、ふすまを開けて覗いてしまう「鶴の恩返し」
「何があっても開けないでください」と渡された玉手箱を開けてしまう「浦島太郎」

カリギュラ効果のカリギュラは、1980年のイタリア・アメリカの合作映画『カリギュラ』を語源としています。一部の地域で公開禁止されたことがかえって人々の関心を集め、大ヒット映画となりった経緯から、禁止されたことに反動して起こる心理効果を、カリギュラ効果と呼ぶようになったのです。

心理学者のジャック・ブレームは、
「人は自由を制限されると反発し、より自由に執着する」ものだと主張しました。
人は「自分のことは自分で決めたい」という本能を持っていると考えられています。
そのため、一定のことが禁止されると自由を奪われたように感じ、かえって「自分で選んだ行動」に価値を見出すようになります。
禁止されたことをあえてすることで、「行動の制限」というストレスから解放されているのです。

ダイエットを決意したとき、まず「カロリーの高いものは絶対に食べないようにしよう」といった制限を自分に与えがちです。しかし人は「食べない」と決めたあまり、逆に食べたくなってしまうのです。
人は本能として禁止されたことに抗えないものですが、逆にカリギュラ効果を使いこなせば、あらゆる面で有効になることも事実です。

業務部 山中