「言霊」とは言葉の霊力、つまり発した言葉が霊力を持って人に何らかの作用をもたらすことを言い、スピリチュアルやオカルトなイメージに捉えられがちです。

ですが思い返してみてください。
例えば、人から「今日は顔色が悪いね。大丈夫?」と言われると、そうでもないのに何だか体調が悪いような気がしてきたり、特別何かしているわけでもないのに「最近、綺麗になったね。」と言われると鏡を見るときにいつもと少し違う自分が映っているような気がするのも言葉の力、言霊ではないでしょうか。
普段何気なく受けている言葉一つ一つは自分自身へ何らかの作用がもたらされている、逆に自分が発した言葉一つ一つは周りの人へ何らかの作用をもたらしているのです。

日本人は言葉を大切にする文化を持っています。
結婚式などの慶事では、「断」「切」などの別れを連想させるような言葉を避けたりお葬式などの弔事では、これ以上不幸が重ならないよう重ね言葉を避けたりもします。
手紙を書く時には時候の挨拶を最初に入れたりするのも日本の文化ですよね。

しかし昨今はSNSやブログなどインターネットが発達し、言葉を発し主張を届けるというハードルが下がってきているため言葉の扱いが雑になっているように思います。
人を傷つける言葉が溢れ、それによって自らの命を絶ってしまう人もいる。
顔が見えないから、気軽に発信できるからといって何でも言っていいわけではないですよね。
簡単に言葉を発信できる自由は簡単に人を傷つけていいという自由ではありません。

「言葉」には思っているよりも見えない力が宿っています。
ネガティブな言葉には負の力、ポジティブな言葉には自分自身はもちろん周りの人たちの心を温かく明るくする力があります。
だからこそ一つ一つの言葉に責任を持てるような人間になりたいものです。

経理課 千葉