暗渠(水道管の地下埋設)システム。松や檜など、硬くて腐りにくい木の板が選ばれている。

 

 

江戸時代の江戸では、すでに上下水道が整備されていました。
綺麗な水を飲み、清潔に生活を営んでいました。

 

同じ時代のヨーロッパの貴族社会でさえ下水道の整備がなく、ロンドンやパリの道路は、ゴミと汚水の捨て場のようでした。
雨の日などはぬかるみ、想像を絶する臭気が街中に漂っていました。
そのため匂いを消すために香水が開発されました。

 

今の時代のようにモーター等の動力が無い時代にどうやって上下水道を作ったのでしょうか?
何と、多摩川や井の頭の水源から、高低差だけで水を江戸中に流していたのです。

 

多摩川では、水源から海までの距離約40キロの高低差は92メートルです。
このわずかな下り勾配を利用するには、正確な測量技術と土木技術がなければできません。
それを400年以上前の機械のない時代に、たった8か月という短期間で日本人がやり遂げていました。

 

新型コロナの流行を世界的に見ても、驚異的にさざ波程度に抑え込んでいる我が日本。
その根底にあるのは、こういった日本人の清潔感があるからではないでしょうか。

 

スタッフ K.Y

参考文献:百田尚樹 著:「新版 日本国紀」