小説を読んでいると、読者の想像をより膨らませて、描写をしやすくする為に様々な表現方法が使われており、伝えたい用途やイメージによって、様々な表現の言葉を見つける事が出来ます。
先日、懐かしい小説を読みました。作品は「走れメロス」です。皆さんが小学校の国語の授業で習った太宰治先生の有名な小説ですが、この中で気になったメロスが早く走る表現方法がありました。
それは、「少しずつ沈んでいく太陽の、10倍も早く走った・・・」です。
早く走る表現ですが、「太陽の沈むスピードの10倍」が気になったので調べてみました。
太陽が沈むスピードは地球が自転しているスピードなので時速は約1400Kmになります。メロスはこの10倍のスピードで走っていますので、分かりやすく言うとマッハ14で走っていた事になります。
某オリンピック陸上選手が100mを9秒58で走ります。
メロスは100mを0.02秒で走るのでいかに驚異的かがわかります。
お話は進みます。想像してみてください。
物語の終盤、メロスはお城まで全速力(マッハ14)で走ります。
マッハ14で通過すると衝撃波がやってきます。
砂埃だけでなく、建物は倒壊し、付近のガラスは粉々に割れる事でしょう。
また城下町まで来ると多くの住人が生活していると考えられます。
万が一、激突した時には・・・・・それは大惨事です。
もうここまできたら「走るなメロス」ですよね。
真面目に分析してみると滅茶苦茶ですよね?でも、大きく表現をする事でその凄さをより膨らませて伝える事が出来ます。それは読者に理解されてしっかり伝える事にもなります。
それは日本語の面白さであり、魅力の一つなのではないでしょうか?
債権管理課 安田