厳しかった寒波も和らぎ、暖かな日差しが差し込むようになった今日この頃。
最近はニュース番組の天気予報で桜の開花予想を度々見かけるようになりました。
あっという間に春らしさを感じる季節になったと実感しますね。

四季の変化を楽しむように桜の開花を待ち遠しく思いつつも、本日はあいにくの雨。
天気予報では数日間、雨が続くようです。
他にも呼称はありますが、この時期に降る雨を「春の長雨」と言います。

「春の長雨」という言葉を聞くと、名前が似ている1つの食材を思い出します。
そうです。よくサラダや煮物に登場してくるあの「春雨」です。

春の長雨」と「春雨」…。

関係性は何となく予想が出来ますね。
お分かりの方もいらっしゃるでしょうが、食材の「春雨」は天候の「春雨」に似ているので名前の由来となっています。

食材の「春雨」は1937年(昭和12年)に日本で初めて国産春雨を製造した森井食品が名付け親とされています。
製造過程で、じょうろ状の穴から押し出されてくる時の様子が天候の「春雨」のようだというところから名付けられたそうです。

一方、天候の「春雨」は俳句が詠まれる際の季語として使用される事が多く、かの有名な松尾芭蕉や小林一茶、正岡子規などが詠んだ句にも登場します。

「春雨」という言葉はしっとりと降り続ける静けさ、細やかさ…。儚さや趣が感じられる言葉ですね。
そんな「春雨」という言葉を食材の名前として名付けるのは、どこか日本人らしい情緒を感じます。

今ならではの2つの「春雨」。
皆さんはどちらがお好みでしょうか?