先日、「美女と野獣」の映画をみました。
映画だけでなくミュージカルでもロングラン公演がされており、大人気の作品であるのは皆さんご存じだと思います。
この物語は「高貴の人(今回は王子様)が呪いをかけられて、それを外部からやって来た人(今回はベル)の干渉?によって呪いが解ける」というざっくりと要素だけで見ると「眠れる森の美女」と本当によく似ています。

どんな物語か整理すると・・・
主人公は、心優しい女性のベル。
ある日、旅先で疲れ果てたベルの父親が、無人と思われた城に迷い込んでしいます。
父親は旅の土産にベルが望んだのが一輪のバラだった事を思い出し、城の庭に咲いているバラを見つけた父親は、ベルのために一輪のバラを搾取してしまいます。
すると、それを見ていた城主(野獣)が現れて「お前は盗人だ。自分の命か、娘を差し出すように」と迫ります。
物語は紆余曲折しながら進み、ベルはお城へ行き、城主(野獣)と一緒に暮らし始めます。このベルが暮らすことになった城主は、魔法使いによって、醜い野獣に変身させられた王子様なのですが、一体どんな姿にされてしまったのか皆さんはご存じですか?

DVDを見ると、ライオン?熊??のような顔に、2本の角が生えているのが確認出来ます。本や映画などでも、角の生えた同じ様な姿で描かれています。
ライオンの顔に鬼のような角が生えていたら、それは誰が見ても震えるくらい怖いですよね?最初に見たベルの父親もベルもさぞ怖かった事でしょう。

なぜベルはそんな怖そうな野獣に近づけたのか?不思議ですよね?
では、実在する「角のある動物」を思い出してみてください。
「牛」、「羊」、「山羊」等々・・・。そうです。全て哺乳類ウシ目の動物で、どれも大人しい草食動物なのです。
怖いとされるライオンや熊などの肉食動物は、角を持っていません。だからベルは怖がる事ともなく、怖い顔をした(実は大人しい)草食動物と一緒に生活をする事が出来たのだと思います。

さらに物語は進み、ベルは、初めて野獣と一緒に食事をした時から、野獣の優しさに惹かれ一緒に生活する2人の仲はどんどん近づくのですが、野獣が草食動物の「牛」だった場合、2人はどんな暮らしだったのでしょうか?

まず、草食動物はショートスリーパー(牛の睡眠時間は約3時間)だと言われています。
ベルは3時間しか寝ない野獣との生活は毎日寝不足状態で、さぞ辛かった事でしょう。
また、牛は、一度飲み込んだ食事(草類)を口に戻して噛み直します。いつもムシャムシャと口を動かし、胃では可燃性のメタンガスを作り出す為、よくゲップをして溜まったガスを吐出しているそうです。その匂いは想像を絶します。

なのに、ベルは寝不足も匂いも気にしないで野獣に心を開き惹かれていくのです。
この物語は「見た目にとらわれない二人の愛」を育んでいるのが想像できる奥の深いお話である事が分かります。本当に至高の名作であり、素晴らしいとか言いようがありません。
是非ご覧になってください。