じめじめとした梅雨も明け、いよいよ本格的な猛暑の夏がやってきますね。この時期になると会社勤めの中で、お中元を贈ったり、いただいたりすることを目の当たりにします。
日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちを込めて贈るお中元。そのお中元に必ず付いているものが熨斗(のし)です。熨斗の選び方や書き方に迷った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、いつもギフトショップの店員に任せている方や、最近ではネットショップでも利用できるため、熨斗について全くわかっていない方も少なくないかもしれません。そこで簡単に熨斗についてご紹介させていただきます。

現在、熨斗と呼ばれているものは、正式だと「熨斗紙(のしがみ)」または「掛紙(かけがみ)」と言います。熨斗紙に描かれている小さな絵が「熨斗飾り」と言い、熨斗飾りの中の黄色い細棒のようなものが「熨斗」です。そのため、熨斗飾りが描かれている掛紙を熨斗紙、熨斗飾りが描かれていない掛紙をそのまま掛紙と呼称することが正しいです。熨斗は薄く伸ばした干しアワビを表しており、これは古来より日本ではアワビが縁起物とされていたことに由来しています。
贈り物に付ける掛紙は、熨斗飾りの有無や水引の色、結び方の違いによって種類があります。水引とは、贈り物の包み紙を結ぶ紐のことです。基本的に水引は奇数の本数で束ねられており、目的に応じて使い分けします。例えば何度も繰り返したい嬉しい事柄には紅白蝶結びの水引が描かれた熨斗紙を使用することが多いようです。お中元は何度も繰り返したい事柄として捉えられるため、紅白蝶結びが最適と思われます。なお、元来のマナーとして贈り物が生ものの場合は熨斗紙を付けないのが正しいようですが、そのようなマナーは知らない方のほうがきっと多いでしょうね。

熨斗紙は贈り物に付けるものですから、相手に失礼のないように書きたいですよね。本来ならば毛筆で書くことが望ましいですが、現在は筆ペンやサインペンでも問題ないようです。但、ボールペンや鉛筆、黒以外の色で書くことは避けたほうがよいです。
以下、簡単に書き方について紹介させていただきます。
■献辞の書き方
熨斗紙の水引を境に上段中央に「お中元」または「御中元」と表書きします。必ず縦書きです。
■贈り主の名前の書き方
熨斗紙の水引を境に下段中央に名前を書きます。表書きの真下で、表書きよりやや小さめの文字で書きます。
■個人(1名)の場合
贈り主が個人で1名のみの場合はフルネームで書きます。しかし目下の人に贈る場合は姓だけでも問題ないようです。
■連名の場合
連名で贈る場合、目上から名前を右側から順に書きます。但、並べて書けるのは3名までです。3名以上の連名になる場合は、代表者の名前をフルネームで中央に太く書き、左にやや小さめに「他一同」と書くのが一般的です。
■会社名を入れる場合
名前を書く際に会社名を入れる場合は、個人、連名に関わらず名前の右上から小さく書き添えます。略式で名刺を貼付することも構わないそうです。

冒頭でも申し上げましたが、お中元は日頃の感謝を込めて贈るものですから、気持ちよく受け取ってもらえるように心がけたいものですね、以上の簡単なご紹介ですが、少しでも参考にしていただけたら幸甚です。

トリプルクラウン管理本部担当