【日本、初の準々決勝へ】RWC2019公式HPより

 

日本で開催されているラグビーワールドカップ2019が非常に盛り上がっていますね。大会が始まる前は、来年東京で開催されるオリンピック・パラリンピック大会や2002年に日韓で共同開催されたサッカーのワールドカップに比べると、日本では関心が低く盛り上がりに欠けるのではと懸念されていたようです。そもそもラグビーを知らない、見ていてもルールが解らないといった声があったようであり、日本国内に専用競技場は花園と秩父宮の2ヶ所しかないことも、日本のラグビーに対する浸透度の低さが伺えました。但、ラグビーをテーマにした民放ドラマの放送や、なによりも大会が始まってからの日本チームの快進撃で心を打たれ、関心を持つようになった方も多いのではないでしょうか。

ラグビーは日本の時代でいう幕末から明治維新の頃に、英国で発祥しています。英国紳士同士が激しく身体をぶつけ合う中でも尊法精神を維持し、正々堂々とプレーすることに強い矜持を持っていたようです。「ルールを守らなかったら罰を与えられるというものではなく、ルールは大切なものとして皆で共有し、自ら守るもの」との考えから「紳士のスポーツ」と言われ始めたようです。英国では幼い頃から教育の一環として、知性と技術と体力を兼ね備えた人間を育てるためにラグビーが活用されています。イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドがいずれも強豪国であることが理解できますね。
英国は産業革命が終わった頃、世界に進出して植民地を拡大しました。植民地化した世界の未開の各地で、肉体的にも精神的にもたくましく、組織で機能できる人材を育成するのに直結したスポーツとしてラグビーは広められました。ニュージーランドやオーストラリア、南アフリカはいずれもかつて英国の植民地だった国であり、現在の世界的なラグビー強豪国に発展したことにも繋がっているようですね。

ラグビーでよく耳にする言葉に「one for all, all for one」(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために)というものがあるのは皆さんよくご存知ではないでしょうか。私自身も小学生の頃に当時の教員が話していたことを鮮明に覚えています。試合が終われば敵味方の区別がなくなるという「ノーサイド」という言葉もよく耳にしますよね。実はこれらの言葉が使われているのは、世界でも日本だけなんです。いわゆる「ジャパニーズ・ラグビー・カルチャー」というもので、ラグビーに内在する美徳として世界中から称賛されている日本の誇れる文化ではないでしょうか。

「ルールを守らなかったら罰を与えられるというものではなく、ルールは大切なものとして皆で共有し、自ら守るもの」、「one for all, all for one」、「ノーサイド」、「楕円形のボールは次にどう転ぶかわからない、だからどう転んでも対処できるようにあらゆる予測と準備が必要」、「前に投げたり落としてはならない、横もしくは後ろを確認しながら、じっくりとゲインラインを超えていく」
これらのラグビーの文化や精神はまさしく学校教育やビジネス社会にも変換できることではないでしょうか。

追伸ですが、今回初めてラグビーに興味を持たれた方は、「ブライトンの奇跡」と呼ばれる2015年大会の日本VS南アフリカ戦のラスト10分を是非ご覧になってください。(動画サイトでも配信されています)
きっと感動しますよ。

トリプルクラウン管理本部担当