もうすぐ放生会ですね。
毎年この時期になると、夏の終わりを感じると共に、秋のお楽しみとして訪れる方も多いのではないでしょうか。

 

日本各地で春夏秋冬の祭りがありますが、それぞれ意味が異なります。

春祭りは、豊作を起源するための祭り。
夏祭りは、お盆行事をはじめとして、悪さをする虫や疫病を追い払う祭り。
秋祭りは、収穫への感謝を表す祭り。
冬祭りは、新年を気持ちよく迎えるために祈願する祭り。

 

しかし最近では、祭りといえば夏祭りですよね。

夏は害虫の被害や、疫病などが流行ることが多く、それにより田畑に影響が出たり、死者が多く出たりしていました。
そのような哀しい出来事を収めるため、各地でお祈りの意味をこめた祭りが活発に行われてきたそうです。
夏にお祭りが多いのは、夏特有の自然の驚異が原因で「夏祭り」という形で残っているのですね。

 

さて、福岡の筥崎宮で行われる放生会は毎年9月12日~18日の1週間開催されています。
放生とは「生」き物を野に「放」すという意味で、放生会とは捕らえられた魚や鳥などを野に放し、殺生を戒める行事です。

 

博多では三大祭りと言われる、博多どんたく、博多祇園山笠に並ぶ3つ目で九州随一の秋祭り。通常「ほうじょうえ」と読みますが、福岡の筥崎宮で行われるものだけ「ほうじょうや」と呼びます。これも方言ではないかと言われています。

 

福岡生まれ福岡育ちの私は、物心ついた頃から毎年単なる出店が並ぶ秋祭りとして楽しんでいましたが、何のための祭りなのか?何を祈願するものなのか?といった祭りの意味や由来を知ることで、実際に目にした時の感動も大きくなります。

 

昔から人々が大切に守ってきたものが受け継がれ、その行事により季節の訪れを感じることができるというのは、とても素晴らしいことですよね。

 

私たちは生き物を犠牲にすることにより、食生活が豊かになる。
日頃はそんなことも忘れて過ごしていますが、1年に1度の放生会では生き物に感謝をする1週間にしていこうと思います。

・・・しかしこれが一番!やはり思い切り食べて飲んで楽しみましょう!

経理課 粟井